独断と偏見「カッコいいモノ」 ”缶飲料”
2020/07/07 01:25
ペットボトルにはない魅力が缶にはある。
中身が丸見えて柄の入ったフィルムを巻くだけのペットボトルに対して、金属という中身の全く想像すら出来ない容器に直接印刷されたデザインは容器そのものが顔。
このブログはあくまでも”カッコいい”が主題。
美味しそうな表現とか広告的要素は一切考慮しません。
レコードのジャケットのごとく、缶のデザインそのものがキャンバスであると勝手に考え”カッコいい缶飲料”をランキングしてみます。
数時間にわたってリサーチして分かってきたこと。
当然ですが、缶飲料というのも味もデザインも時代の流れを象徴しています。
昭和のデザインはシンプルであり、商品イメージを押しの強いロゴで目だとうとするやり方が多い。
当時のジュースの味というのは今ほど種類が無く、それらを見た目の押しで消費者の気を引いていた気がします。
もっと言うと、缶の見た目でどんな味かが想像出来たのが昭和でした。
それが時が進むにつれ、複雑な味のものがどんどん増えてきてもはや見た目で判断させるのは不可能になってきました。
すると、その味を表現するのに文字を使うようになります。
そして、デザインは味との関係性を保ちつつも独自のインパクトを持たせるようになります。
結果、デザインそのものが商品の一部となってきます。
商品によっては、むしろ味よりも流行性を狙っているように思えることも多々あります。
要は、缶飲料のデザインは以前の飲料を宣伝する為のパッケージから、商品そのものの一部となったと私は感じます。
そんな訳で、デザインの良さを考えるとどうしても最近のものを挙げる事になってしまいます。
なので、「まあ、そうでしょうね・・・」というランキングになってしまいました。
ご勘弁ください。
で、ランキングの前にひとつ雑談を。
検索中に懐かしいものを見つけました。
「メッコール」。

(画像引用:「ミドル エッジ」)
麦コーラと呼ばれたもので、子供の頃親戚の家に行くと大量に置いてあった激安コーラだ。
正直、クソ不味かったのをはっきり覚えている・・・
穀類っぽい癖のあるパンチのないコーラ・・
まあ、今となっては良い思い出ですが(笑)
なんでも、韓国産だったとか。
今になって知りました。
韓国のりは好きです。
では、独断と偏見のランキングです。
6位 「Red Bull」
オーストリア発、レッドブル。
意外にもルーツはタイらしい。
どちらかと言うとシンプル系になるのかもしれないが、中心のイエロー(黄金の太陽)がひとつ入ることで複雑なロゴに見える。
この太陽を外すと成立しないデザイン。
本来ならもっと上位に入れるところだが、一つ残念なのが、円柱の缶の形状にデザインが少し殺されてしまっている感がある。
いかにも円柱に巻いたという感じが隠せない。
飲料としては何の問題もないのだが、一つの作品としては少々勿体無い気がする。
5位以上のはすべて缶の形状に殺されていない。
下の箱の方が平面のロゴがバシっと決まって断然カッコいい。


5位 「7UP」
これ、おそらく1960年代のもの。
なんと思い切ったデザインだろうか。
ゲームのアイテムにでも使えそうなくらいシンプル。
しかも今見ても何の違和感もない。
むしろ今のものよりも広告感が無く非常にクールだ。
レーシングカーに貼られたスポンサーロゴは飲料メーカーの広告とは思えないほどフィットしている。
このデザインの缶の画像を探したのだがなかなか見つけられなかった。
それもそのはず、まさか60年代のものとは・・・
なんとオークションでは当時の汚れた空き缶が4000円前後で取り引きされている。
分かる人にしか分からない世界だ・・・
ちょっと分かる気がするが(笑)

4位 「エネルゲン」
これは意外かも知れないが、文字とラインだけで構成されているのは有りそうで無い。
大抵そういったやり方だとインパクトも無くつまらないものになりがち。
しかも缶のオレンジと黒文字の二色のみ。
新聞のような見た目を商品にするのはなかなか難しいと思う。
そこで特別変わったフォントでもない「energen」を文字にスリットを入れ”gen”をラインごと斜めに押し上げた。
そして「burn your body fat!」の一文だけラインの斜めに合わせる。
逆に言えばそれだけ。
しかしそのバランスは完璧。
気になったのは、「burn your body fat!」の一文を斜めにすることで雰囲気を壊してない事。
普通斜めに文字を入れると商品ぽくはなるが同時に落ち着きも無くす。
なぜクールなイメージが崩れないのか?とよく見てみると、なんと、文字は上下整列したまま配置だけが斜めになっている。
それがイメージを崩さずアグレッシブさだけが表現されたようだ。
正直他のものほど派手さや個性はないが、度を超えた真面目さを感じるこのデザインは逆にベスト・オブ・ザ・クール!
Tシャツにも出来そうなそのデザインは飲料缶としてはむしろ個性的かも知れない。

3位 「zone」
これは一番最新のクールデザイン。
個性を放つのは、まさかの虹色に輝く”電源マーク”。
完全に”最新”、”世代”を意識している。
何の感情もない印象の中に角丸の金属風フォントが近未来のカッコ良さを感じさせる。
電源マークは滅茶苦茶カッコ良い。
もっと上位でも良かったのだが、個人的には”zone”のロゴより下の文字群は要らない。
DIGITAL PERFORMANCE ENERGY とか意味が分からないし逆にダサい気がする。
潔く、”電源マーク”と”zone”だけで良かったと思う。
そうすれば2位でも良かった。

2位 「コカ・コーラ エナジー」
これはすばらしくカッコいい。。
基本的にコカ・コーラマークと商品名だけで構成されているが、マークが横で商品名の文字が縦。
斜めというのはありがちだが、90度という潔さがカッコいい。
そして、シンプルがつまらないとならぬように周りを不規則な波模様で埋め尽くしている。
言われなければ波紋には見えない主張のなさがロゴを引き立てる。
そして、飲み口の上面まで同色にするという冒険。
これって結構コスト掛かるんじゃなかろうか?
知らんけど・・・

1位 「MONSTER ENERGY」
私はメジャーなものはあまり好まないのだが、これは1位にせざるを得ないと思う。
良くできたデザインだと思う。
飲料感ゼロのデザインはなかなかの冒険だと思うが、逆にMAX売りに勝負をかけたデザインなのかも知れない。
味がどうの、売れる為にどうの、なんて理屈は感じさせず、ただただ攻めの存在感。
もはや何の商品にでも付けられるオールマイティの雰囲気は最強と言えるし、これからもなかなか抜きに出るものは出てこない気がする。
ケン・ブロックのマシンなど見てしまうと無条件にあちこちにステッカーを貼りたくなる。
斬新と思い切りだけでなく、最上位部斜め部分の”TAURINE・・・”の細かい細工が高級感を出している。
他にもバリエーションがあるが、やはりブラックにグリーンのこの1本でしょう。
